本論文は、コメニウスとその協働者のハートリブ・サークルにおけるコミュニケーションの特質について考察したものである。ハートリブ文書の分析から彼らが「相互啓発(mutual edification)」に自らの活動目的を見ており、これがコメニウスの「総審議」の理念と強い関係があることを指摘した上で、ハーバーマスの公共性分析を援用しつつ、彼らにおける公共性概念の教育的性格を指摘した。